粋仙会:藤井龍仙の日記

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水に直接磨るか、濃く磨って薄めるか

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今回のお題は
「水の順序」です

大量の水にちょびっと磨るのか、
濃く磨った後で、水をかけて薄めるのか、
濃く磨った墨を、大量の水に落とすのか、
考えられるのは以上の3通りです。

書道をやらない人にとっては、
「そんなのどうでもいいんじゃね?」
ってところですが、
これには大きな違いが潜んでるんです。

墨が水中にきれいに分散してしまうと、
芯が出来ません。
一方で墨の粒子がくっつきすぎて、
大きくなりすぎると、滲みがでません。

さて、最初の方法
大量の水にちょびっと磨ると、
墨は磨ったはしから水中に分散し始め、
粒子がくっつく間はないです。

せっかくの松煙墨も台無しです。
ただし、この方法で唐墨を磨ると、
にじみの部分を作りやすいので、
使う場所を間違えなければOKです。

2番目の濃く磨った上から
水をジャブジャブかけて薄める
ですが、
この方法だと、最初の方法よりは
墨の粒子がくっつく時間がありますが、
墨を水で洗う感じになるので、
かけた途端に最初の方法と
さほど違いはなくなります。

この方法のポイントは、
濃く磨った後、少し時間を置くことです。

そして、最後の方法
濃く磨った墨を、水の中に落とす、
ですが、
一般的にはこの方法が良く使われます。

この方法は墨を落とした後、
しっかり混ぜないことも出来るし、
しっかり混ぜることも出来るし、
濃さの調整も比較的楽に出来ます。

また、
宿墨を使う場合は
この方法にならざるを得ません。

ただ、この方法は、
墨が沈殿したまま筆につくことになるので、
混ぜ方には充分注意してください。

淡墨シリーズの記事はこちらから
http://d.hatena.ne.jp/suisen-an/archive?word=%2A%5B%C3%B8%CB%CF%5D