粋仙会:藤井龍仙の日記

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水は水道水で大丈夫?

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今回のお題は
「水」です。
どんな水でも書けるっちゃぁ書けますが、
こと淡墨作品となると、
この水が大きく影響します。

水のナニが影響するかというと、
硬度です。
マグネシウムとカルシウムの含有量を
硬度といっているようですが、
膠の加水分解を抑制する、
にがりは塩化マグネシウムなわけで、
マグネシウムをたくさん含んでいます。

ということは、
硬水を使うと、膠が長時間高分子を維持できるわけで、
墨の伸びが期待できますが、
一方で、煤の巨大化を阻むので、
芯が出にくいということになります。

軟水の場合はどうかというと、
磨ったそのときから、
膠の加水分解がじゃんじゃん進むわけで、
芯を作るにはもってこい!!
ですが、数時間放置すると、
にじみの部分には何もなくなります

結論としては
「芯は軟水で、滲みは硬水で」
コンビニで買うなら、
滲み用にエビアンかビッテル
芯用は自宅の水道(笑)

ちなみに、
龍仙の住む広島県の西半分は
全国有数の軟水地域です。
水道水の硬度は各自治体でも公開していますが、
こちらのサイトがオモシロいですよ。
http://softwater.jp/what/000052.html
ミネラル水についてはこちら
http://mineral-waters.net/

もひとつ、ちなみに
中国の水は平均硬度が300オーバーだそうです。
エビアン、ビッテル級です(笑)
日本ではせいぜい100オーバーくらいみたいです。

酸、アルカリに対する膠の影響については、
不明ですが、
みなさんご存知のにじみ止めに使う礬砂(ドーサ)は
膠に強い酸性の明礬(ミョウバン)を混ぜたものです。
ってぇことは、影響はあまりないということでしょうか?

膠はたんぱく質なので、
酸とアルカリを交互に加えると分解はするようですが、
書道をする人で
そんなことをする人はいないわけで、
今のところ、
考慮不要ということでしょうか…

ちなみに、
紙はアルカリに傾いています。

淡墨シリーズの記事はこちらから
http://d.hatena.ne.jp/suisen-an/archive?word=%2A%5B%C3%B8%CB%CF%5D