粋仙会:藤井龍仙の日記

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溶墨仕込中

今日は午前中に保育園ボランティア習字だったんで、
二度寝のせいか体がだるいのを押して
いつもの賑やか教室に行ってきました。

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帰る頃には随分と暑くなって
初夏の気配です

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ところで、
未だ研究中の、溶墨ですけど、
今年の仕込みに入りました。

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溶墨ってなんジャイ?という方も
多かろうと思いますが、
さもありなん、龍仙の造語です(笑)

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墨は磨るものですが、
宿墨に仕上げるには、なかなかの手間がかかります。
加えて、固形墨は残り僅かになると、
磨るのが大変、
というのを解決すべく、
2年前から研究に入った結果、
磨るのではなく、溶かすという手法を使って、
墨の粒子の大きさをコントロールしているのが、
龍仙オリジナルの溶墨です。

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まだ商品化はできていませんが、
単体の墨というよりは、
補助剤的な感じになりそうです(笑)

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最初は墨を溶かすノウハウと
腐らさないノウハウに
四苦八苦していましたが、
溶かすのに苦労することはなくなり、
腐ることもまずなくなり、
唐墨和墨を問わず、
溶かせるようになり、
今年の課題は濃度と熟成のバラツキをなくすことに
集中してます。

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溶かすノウハウは秘中の秘ですけど、
唐墨なら丸1日、和墨で約1週間あれば
完全に溶かすことができます。

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その後腐らさないように熟成させ、
墨として安定させるところで、
ある程度の時間をかけるんですけど、
これは濃度によって様々なので、
今年の課題というかテーマその1です。

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作っては師匠に試してもらい、
ご意見を頂いては、また改良の繰り返しですネェ〜
レシピができるまでには、
もう数年掛かりそうです。

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昨年師匠が毎日展
グランプリを取ったのも実は、
龍仙の溶墨をブレンドし、
不思議な墨色というか線様を出してもらえた結果なんです。

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まぁ残念なことに溶墨自体がまだまだジャジャ馬なので、
使い手のスキルが要求されるのが難点で、
もう少し扱いやすい墨に仕上げないといけませんネェ

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てなことで、今年の仕込み量は
過去最大です。
水茎会の皆さんには使い古しの墨と交換で差し上げてます。

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社中展まで、一ヶ月余りになり、
そろそろ追い込みです

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そういえば自分の作品を書いてないなぁ