粋仙会:藤井龍仙の日記

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墨色(ぼくしょく)が悪い?発色が悪い?

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今回のお題は
「墨色」です。

墨といえば黒ですけど、
少し薄めると、
筆と墨と紙があいまって、
真っ黒ではない色を出したります。

また、黒といっても、
艶のある黒とつや消しの黒、
ムラのない漆黒と斑になった黒では、
全く受ける印象は変わってしまいます。

淡墨作品の場合は
黒というよりはグレーなわけで、
より、色が現れやすくなります。

こと淡墨作品においては、
芯の強さと、
にじみの美しさ、
それは、
芯とにじみのコントラストと透明感なわけで、
現代書道においては、
漢字や前衛を問わずあらゆる分野で要求されています。

困ったことに、
この「透明感」という難題は、
人間の主観であることと、
どうやっても墨の粒子を使う限りは、
完全な透明にはならないということで
普通に考えて、不可能です。

あえて、答えがあるとすれば、
人間主観であるというところでしょうか…

淡墨ではない通常の書作品の場合なら、
墨がにごっているとか、
艶がないとか、
昔は墨運堂は艶がなく、
古梅園はつやつやで、
開明はテカテカで、
呉竹は??
みたいなところもありましたが、
現代においては、
そんなに簡単に切り分けも出来なくなってきています。
淡墨作品はそんな現代に生きている作品であり、
理解が安定していないのも事実です。

余談ですけど、
龍仙が良く使うのは祥碩堂の墨です。
鈴鹿墨のメーカーですが、
なかなか、真面目に墨を作ってます。
墨液でも筆への負担も少ないので、
愛用してます。

芯で透明感は出せないので、
にじみを美しくする工夫が要りますね。
立体感で透明感を醸し出す方法が最善でしょうか…

紙を変えて、墨の吸収量を変えてみるのも一考です。
水墨画の水の表現、なども参考にしないといけませんね。

ん〜やることいっぱいで、頭が煮えそうです(笑)

淡墨シリーズの記事はこちらから
http://d.hatena.ne.jp/suisen-an/archive?word=%2A%5B%C3%B8%CB%CF%5D