粋仙会:藤井龍仙の日記

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硯の上で指で練る?

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今回のお題は
「指で練る」です。

指で磨った墨をなでるように
硯の上で練るというのは、
ビジュアル的にかなりマニアックで
偉い先生がやるととてもインパクトのある
パフォーマンスになります。

見た目はさておき、
指で練ることの効果ですけど、
1つ目は、墨を水中に分散させて膠の加水分解を促進させる。
2つ目は、墨の粒子を細かくしてにじみを良くする。
3つ目は、手についている不純物で墨の粒子結合を促進させる。
4つ目は、指紋がなくなる(笑)
くらいでしょうか。

2つ目と、3つ目は相反する内容なので、
時間と共に、バランスが崩れて、
2つ目の効果がなくなると考えるのが自然です。

指で練るのも出来るだけ毎回硯を洗って、
毎回指で練るという作業をしないと、
効果は薄いということです。

なにより、
大字書など墨を大量に使う作品には
全く以って、不可能ということです。

小さな作品のときは、
パフォーマンスも含めて、
効果的ですが、
大きな作品に不向きなのは、
明らかです。

ちなみに効果の4つ目
指紋がなくなる…ですけど、
硯好きな龍仙が観硯の際、
指先で鋒鋩のカカリを観過ぎたときに、
よくある話です(笑)

いい硯は、手触りもそれはいいモンです。

淡墨シリーズの記事はこちらから
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