粋仙会:藤井龍仙の日記

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硯は端渓?歙州?澄泥?

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今回のお題は
「硯」です

まずは、硯の特徴から始めましょう。
端渓は知らない人はいないと思いますが、
水巌系のものから、
老坑、宋坑、麻子坑、坑仔巌など、
多種多様でそれぞれに特徴があるので、
一概にこれとはいえないところですが、
タイトルの3種類のうちでは、
鋒鋩のバランスが一番良好です。

鋒鋩ってナニ?という方もあろうかと思いますので、
簡単に言うと、
ヤスリに例えてヤスリの目のようなものです。
大きいとザリザリと磨れ、
小さいと細やかに磨れ、
硬いと目潰れが少なく、
柔らかいと頻繁に目立てが必要になります。

細かければ良いとい訳ではありません。
墨は均質におりると、
平板な線になり、
厚みが出ないのです。

元に戻って、
歙州硯ですが、
古い歙州は細かく鋒鋩も強く、
いい感じですけど、
最近のものは石紋がきれいなだけで、
ザリザリとおります。

澄泥硯については、
これまた、千差万別
手に入るお値段のものは
基本景気よくおりてくれます。
ちょっとお値段のするものは、
それなりに細かくおりてくれます。
鋒鋩はめっぽう強いですが、
土台のほうが弱かったりするので、
要注意です。

ただ、
ここ淡墨に特化して話をすると、
にじみの部分は端渓ないしは歙州
国産の硯は粘板岩系が多く
どちらかというと歙州硯に近いと
思ったほうが良いでしょう。
ただし、山口の赤間や長野の龍渓は
凝灰岩に近いので、端渓寄りでしょうか…

芯を出すためには、
ザリザリとおりてくれる
最近の歙州硯か
お手ごろな値段の澄泥硯が向いています。
中には陶器の硯でゴリゴリなさる方もいらっしゃいますが、
あまりゴリゴリでは、
表具の際に紙から墨が剥がれてしまいます(笑)

ここでも、
芯とにじみは別々に作ったほうが
確実だということが分かります。

淡墨シリーズの記事はこちらから
http://d.hatena.ne.jp/suisen-an/archive?word=%2A%5B%C3%B8%CB%CF%5D